『酔っぱらい天国』見終わった。渋谷実監督の1962年作。主人公は寡夫で真面目な会社員だが酒癖が悪い。溺愛する一人息子が結婚すると言い出し心中穏やかではないが、その息子がバーの喧嘩に巻き込まれてしまい…という諷刺ブラックコメディ。酒に酔った上での失態は大目に見られる風潮を痛烈に皮肉る。
posted at 00:58:24
笠智衆を主演に、酔っぱらいたちを面白可笑しく描いた、コメディ仕立てのホームドラマ…のように始まるが、中盤から容赦ない展開となり、話がどんどん退っ引きならぬ方向へ進んでビックリ。人情など胸を打つ展開もあるのだが、それすら苛烈に切り捨てられていき、ブラックで皮肉な笑いに覆われていく。
posted at 01:07:09
とにかく笠智衆が、息子の結婚話に拗ねて可愛さを見せたかと思えば、酔って暴れて大声で歌い、上司におもねる卑屈さを見せ、不安定な精神からくるサイコ演技を見せ…と、さながら笠智衆オンパレードの味わい。周囲のキャラも悪人はいないが俗物と酔っぱらいばかりで、それを笑いで突き放す視点も怖い。
posted at 01:16:16